9月度TMC部会活動報告及びご案内
Ⅰ.理科教育部会 次回は、9月22日(月)13:30~ TMC会議室で
(リーダー:久保建二顧問 (kemkubo@gmail.com)
8月度は都合により中止しましたので、7月度部会の内容を再掲します。
報告事項、審議事項:
- 2025年7月1日泉大津市教育員会の担当者の表様が長期出張から戻られたので表一成指導主事が担当者として復帰された。
- 泉大津市教育委員会との話し合いの結果:①6月27日実験授業実施希望校の募集結果は残念ながら今年度は楠小学校1校のみで5年生73名コイルモータ12月希望、4年生68名液状化12月希望であった。市教委としても、募集途中に3度全小学校に督促したが反応が悪く上記のような結果になった。そこで、8月下旬になって予算が取れるならば8月下旬に再募集を実施していただく。(昨年度は再募集の結果1実験から15件に増えたが、すでに予算がなく市からの報酬は1件のみであった)。
- 上記の結果を踏まえて、今後の在り方を議論した。まとめは以下の通り。
Ⅰ.今まではアンケート結果を市教委だけに報告していたが、アンケートを実施した学校宛に報告書を送付しなかったのは良くなかったのではないかということになり、今年度からは実験授業のアンケートを実施した学校にはその都度結果を報告し、年度末には全集計結果を送付することにした。
Ⅱ.そこで、遅ればせながら今回は全小学校宛に、昨年度のアンケートのまとめを郵送することにした。送付の前文は久保が作成、アンケートのコピーは江村さんにお願いする。
Ⅲ.昨年実験授業を実施した中で、そのことが当該学校のHPでどれだけ取り上げられているかを調べようということになり、その調査を村田さんにお願いした。
Ⅳ.㈱三ツワフロンティックさんとの関係を修復するのが大切ということになり、江村さんが中心となり斎藤さんに相談することにした。
Ⅴ.他の実施できる市を探す。私立の小学校で実施できないか。マスコミに働きかけることはできないか。また、予算がなくても実験授業を実施してはどうかとの意見が出たが、ボランティアではあるが持続可能な事業であるためには交通費程度の謝礼が必要である。ただ、理科実験授業実施の資金を別に集めるうまい方法があれば等の意見が出た。
- 8月下旬に市教委の担当者と実施希望校の再募集をおこなう件についての話し合う件については久保に一任する。
- 実施する実験授業は今のところ12月であり時間的余裕があるので、8月の部会は中止とし、次回は9月22日とする。余った時間で各自の実験について話し合った。
- 部会の結果に基づいて7月23日に泉大津市の8つの小学校の校長先生宛に前文をつけて2024年度のアンケートの集計結果を送付した。
8月の部会は休会とし、次回の部会は9月22日(月)13:30~ TMC会議室で行います。
Ⅱ.環境・エネルギー部会 次回は、2025年9月3日(水)14:00~15:30(予定)
リアル(事務所会議室)&オンライン(ZOOM)ハイブリッド方式で開催 皆様のご参加をお待ちしています。
(リーダー;村田吉和 yoshikazu.m@iris.eonet.ne.jp)
【8月例会(第26回)の報告】2025年8月6日(水)14:00~15:10
1.合成燃料(e-fuel)実用化に向けて(上原先生)
①合成燃料は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って製造された水素と工場などから回収されたCO2を合成して製造され、ガソリン、軽油、重油、ジェット燃料などに利用される。
②カーボンニュートラルであることや、既存の設備が利用できる、海外化石燃料依存から脱却できるなどのメリットはあるが、製造コスト高、大量生産が困難、エネルギー変換効率が低いなどのデメリットがある。
③国内で原料調達からすべて製造する場合の製造コストは約700円/Lとかなり高い。また、海外ですべて製造する場合(約300円/L)や水素を輸入して国内で製造する場合(350円/L)でも既存燃料に比べて高く、コスト削減が必要。
④トヨタは合成燃料に対応するエンジンをスバルやマツダと共同開発、ENEOSはFT合成用の触媒開発、出光興産は合成燃料を製造するHIF Global社とMOU締結。
⑤FT(フィッシャー・トロプシュ)反応(一酸化炭素と水素の混合ガスから触媒を用いて液体炭化水素を合成する化学反応)は、連鎖成長速度Kpと水素化離脱速度Kdの合計に対するKpの比率αにより連鎖成長が変化し、αが大きいほど炭素鎖が成長する。αは触媒(Co)の粒子径によりコントロールでき、粒子が小さいとα:小となり、LPGなどの軽質炭化水素になる。また、粒子が大きいとα:大となり、軽油、ジェット燃料などの燃料になる。
⑥2024年6月ドイツ連邦デジタル交通省主催の「e-fuel対話」が開催され、「ベルリン宣言」にドイツ、リトアニア、日本が署名した。「e-fuel」は、「トリプルブレイクスルー」(温室効果ガス削減、経済成長、エネルギー安全保障)に適した技術の位置づけ。
2.ケミカルルーピング燃焼(吉田さん)
①大阪ガスは今年6月、「ケミカルルーピング燃焼原理」を用いた、電力・水素・CO2同時製造に関わる実証試験について、JEFエンジニアリングと共同で開始することをプレスリリースした。
②「ケミカルルーピング燃焼」は、空気中の酸素を用いずに酸化鉄などの金属酸化物中の酸素を利用して燃焼させる技術。
③燃焼排ガス中に空気中の窒素や窒素酸化物の混入がないため、高純度のCO2が回収できる。また、燃料との反応により一部の酸素を失った金属酸化物は、空気と反応して発電用蒸気に利用できる高温熱とともに、水と反応して水素を生成する。
④金属酸化物は使用後に元の状態に戻り、繰り返し使用できることから、ケミカルルーピング燃焼と呼ばれる。この技術により、グリーン電力、グリーン水素、バイオマス由来CO2を同時製造できる。
⑤本事業は、NEDOの助成事業として2027年度までに、300kW級実証機を大阪ガス酉島事業所内に建設し、バイオマスや有機廃液などを用いた実証試験に取り組む予定としている。
⑥ケミカルルーピングの概念は1950年代、アメリカで「純粋な二酸化炭素の製造」技術として提示され、1980年代後半に東工大 石田教授らの研究グループが天然ガス発電の熱効率向上及びNOx発生抑制を目的としたこの技術を、「ケミカルルーピング燃焼」と名付けた。
⑦2000年代に入って、温暖化対策のためのCO2分離回収技術として再び注目を集めるようになった。
3.環境・エネルギー関連情報(村田)
(1)次世代パワー半導体SiC、GaNの動向
①世界発電量の5~6割がモータ駆動で消費、送配電網の電力変換等により30%以上が損失していることから、パワー半導体の高性能、高効率化が必須となっている。
②パワー半導体は、約60年間シリコンを基板材料に開発が進められてきたが、限界に近つきつつあり、SiCやGaNを使った開発・実用化が進んでいる。さらに、Ga2O3やダイヤモンドを使った開発も始められている。ダイヤモンドは究極の半導体材料である。
③SiCはモータ駆動用インバーターや太陽光発電施設の電力変換設備、工場などの無停電電源など600V以上の高圧電力用に、GaNはパソコン用ACアダプター、モバイル用小型急速充電器などの数十~600Vの中低圧用に使用されている。
④パワー半導体の世界シェアは日本が約30%を占めており、現状世界1位であるが、Ga地金産出のほとんどは中国が占めており、今の地位を維持できるか、予断を許さない。
(2)廃熱を使った独立型ORC発電システム
①ORCは目新しい技術ではないが、リチウムイオン電池と組み合わせ、オフグリットのシステムを構築したところに特徴がある。BCP対策用として運用できる。
②NEDOの助成事業で、馬渕工業所、東大、京大などが参画。
③熱源は、未利用熱の工場廃熱を利用。熱効率は5~7%程度。
(3)天然水素(ホワイト水素)
①2018年、西アフリカのマリで発見されて注目。日本でも白馬村で観測されている。
②JOGMECが2025年度中に国内埋蔵地調査に乗り出す計画。
③水素発生メカニズムは、高温下での岩石中の鉄の酸化反応と水の還元反応による水素発生が有力視されている。
④製造コストは、グレー水素より安価にできる可能性を秘めているが、低コストで大量に採掘できるかが課題
Ⅲ.資源循環部会
1.水研究会 次回は、9月23(火)10:00-11:30 オンラインで開催予定。
(リーダー;斉藤昇 ghmtd252@ybb.ne.jp)
8月26日(火)に開催しました水研究会のメモは以下の通りです。
ウルトラファインバブル(UFB)は固体粒子である?(上原先生)(添付1)
・共振式質量/粒子径測定システム;Malvern社アルキメデス;マイクロカンチレバーをもつ流路により、気泡か固体粒子かを識別できる。
・慶応大の寺坂らのグループによるUFB濃縮装置(ロータリーエバポレータシステム)はUFBは単なる気泡でないことを示している。
・東京大学物性研の原田による軟X線顕微吸収分光システムより、バブル界面水のコントラストより、表面は氷状に覆われていることが確認できる。
・九州工業大学の植松らは暗視野顕微鏡の観察より、ナノバブル(450nm)ガ重力により沈降する様子をリアルタイムで観測した。但し100nm以下のUFBは気体なのか非ガス化固体粒子なのかは解明に至っていない。
半導体の成膜工程について(南條さん)(参加者には送付済)
・酸化膜、電極、層間膜、配線などのさまざまな膜の形成が必要。
・成膜方法としては、スパッタ、CVD、熱硬化、めっき等がある。
・膜の目的としては、導電膜(Al、Cu、ITO)、絶縁膜(SiO2)、半導体膜(Si)、保護膜/バリア膜、特殊機能膜があります。
・半導体製造では、プラズマを利用して反応性を高めたり、低温化や膜質制御を行う「プラズマ支援プロセス」が複数存在します。
ハンディタイプUFB水の紹介(齊藤)(添付2、3)
・特開2025-22240;㈱リスニ;手動式プッシュポンプを用い、キャビテーション部にねじを用い、そのピッチ深さ等により流速を変え、減圧にし、純水等の液体の溶存空気でUFB気泡密度を10億個/cc(50~100nm)生成。
・化粧水、アルコール類に適用。特に小さいUFBは浸透性が高い。
・南條さんは(株)リスニを訪問されたことがあり、その資料を添付させて頂きます(添付4)。
可搬型水ろ過装置の紹介(土居さん)(添付5)
・日経2025.7.23;山梨大学発のベンチャーとして西田教授が一般社団法人「小さな水」
の水ろ過装置は生活水5~10トン/日処理。能登半島地震でも実証研究を進めている。
次回は9月23日(火)10:00-11:30 オンラインで開催予定。
議題は、①ファインバブルの話題、②飲めない水を飲める水に、③半導体関連(リソグラ
フィー関連)、④その他水に関することは何でも結構ですのでご紹介お願いします。
2.亜臨界水分科会 現在休会中であるが、案件が出次第再開予定
(リーダー;溝尾博 mizoo-kamiho@hcn.zaq.ne.jp)
3.排水分科会 現在休会中であるが、案件が出次第再開予定
(リーダー;岡本長興 n-okamoto@castle.ocn.ne.jp)
Ⅳ.補助金委員会 現在休会中であるが、案件が出次第再開予定。
(リーダー;岡本長興 n-okamoto@castle.ocn.ne.jp)
Ⅴ.AI/IoT研究会 次回は、 9月16日(火) 13:00- 14:30 TMC会議室の予定
(リーダー;山本英毅 yamahide602000@yahoo.co.jp)
日時 :2025年8月19日(火)13:00~1 5:00 TMCで実施
出席者:溝尾、村田、堀本、土居、岡村、山本英(敬称略)
欠席者:武藤、阪林、江村、佐藤、吉田悟、浅井(敬称略)
内容:(1) テクノメイト出前講義について
・出前講義の1社目としての「関西化学機械製作株式会社」については、
第二段階の打ち合わせとして、8月8日に溝尾、山本で訪問した。
・出前講義の申し込み状況
- 出前講義の2社目であるハイテン工業については、9月10日(水)
午前の部:9:30〜12:00/午後の部:13:00〜15:30 の2回出前講義
を実施することになっている。
➁ 出前講義の3社目である㈱会社辻本(数社共同)については、10月9日(木)
15時〜出前講義を実施することになっている。
➂ 出前講義の4社目である正法工業株式会社については、9月スタートの予定
(日程未定)
(2) 本日は、山本による「ローコード・ノーコード」の概要について勉強した。
その後、パソコンレスキュー社長の伊藤さんに[ノーコードアブリkintoneの概要と使い方] について講義してもらった。
Ⅵ.東京支部会合 次回は9月6日(土)第1週の土曜日16:00-18:00 神奈川労働プラザでの会議で
予定します。【( SKYPE WEB⇒Micro Soft Teamsに移行)でも参加OKです】
(リーダー;金子昌二 kaneko.syouji@ozziojp)
8月は本部齊藤理事のWEB参加も含めて5名の参加でした。
齊藤理事からは下記の取組み情報のご説明をいただきました。
- 7月に続き生成AI・DX化の出前講義についての取組みについての情報提供をいただきました。
・TMCとしてできる講義内容のメニュー化
・NPOとしてのコストメリット
- 炭素の資源化(炭を作る)
定例会議のテーマとしては継続案件(各産業界のカーボンニュートラルへの取り組み状況や省エネ化技術の現状)に加え、吉田さんの会社が受注活動中の「グリーンLPGの社会実装」の中の
排ガス処理システムに対して技術的助勢への可能性等を討議しました。
Ⅶ.中部支部:『トヨタテクニカルディベロップメント見学会(おかげ様で定員に達しました)』
(リーダー;池田 和人 spuk3vz9@outlook.com)
TMC中部支部では、第2回会合として、TMC顧問でトヨタ自動車株式会社 元常勤監査役の香川佳之氏が代表取締役社長を務める『トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(愛知県豊田市)』を9月5日金曜日に見学させていただく予定です。この行事は、先般5月19日に名古屋マリオットアソシアホテル15階メインバー『エストマーレ』で行われた『TMC中部支部 第1回会合』で同氏からご提案いただいたものです。(見学会につきましては、多数のお申込みがあり、お陰様で定員に達しました。)
TMC中部本部では、およそ3~4か月に1回の頻度で集まろうと思います。基本的に、名古屋マリオットアソシアホテル15階メインバー『エストマーレ』を利用させていただく予定ですが、今後、入会される方が増えた場合は、別途、場所を検討致します。(入会を希望される方は、NPO法人テクノメイトコープのホームページ(下記)からお申込み下さい。法人会員は月1万円、個人会員は年1万円です。
【入会はこちら】
https://techmatecoop.org/?page_id=4162
【お願い】 愛知・岐阜・三重の方は、入会申込後に池田和人(spuk3vz9@kazuto-ikeda.com/090-9890-4559)までご一報をお願い致します。
Ⅶ.地球科学勉強会 9月度は中止の予定ですが、近々ZOOMにより再開の予定です。
(リーダー;斉藤昇 ghmtd252@ybb.ne.jp)
・田中祐介さんから紹介いただきました「地球深層ガス」(トーマス・ゴールド著、日経サイエンス社)から化石燃料に対する見方が一変し、続いて「未知なる地底高熱生物圏」(トーマス・ゴールド著、大月書店)を田中さんから最新のデータも紹介していただきながら輪読しました。
・現在の地球環境を論ずる前に、地球科学のことを知る必要があると思われ、上原顧問より紹介いただきました「ダイナミックな地球」(大森聡一、鳥海光弘著、放送大学教材)も輪読しました。
・一昨年9月より、「地球の歴史(上)(中)(下)」鎌田浩毅著、中央公論の輪読を始め、昨年9月度より(中)を始めております。
他に久保顧問、平岡さんも当初から参加されています。ご興味のある方はご参加ください。